
ゆいまる農園のぶどう畑ではクローバーを育成しています。クローバーの根とそこに住む生き物たちが土を耕してくれるため、空気と水分をたっぷり含んだ植物の生育に適した土が作られます。

草を生やすことで豊かな生態系が生まれ、農薬や肥料をあまり必要としない健康で豊かな土壌が作られます。そのため、除草剤は使いません。

土壌を健全にしていけば耐病性は高まるという信念の下、低農薬化を目指しています。また、樹形の仕立方や手散布をすることで散布量を基準の半分以下に抑えています。今後も、雨よけ施設の導入、虫の生態や病気に関する知識を増やすことで、さらなる低農薬化を目指していきます。

クローバーは植物の生長に欠かせない「窒素」を空気中から取り込んで蓄えます。成長したクローバーを定期的に刈り込み緑肥とすることで低肥料化を行っています。

自然の摂理に逆らわず、それぞれの旬を大切にしていきたい。そんな願いから私たちは加温栽培を行いません。『旬の味に優るモノなし!』ですね。

年間の作業計画や農作業の様子を公開しています。積極的に情報を公開することで、消費者の安心につながると考えています。また、ぶどうの家庭菜園をやってみたい方も参考になるかも知れませんね。

健康で豊かな土壌とは、生き物がたくさんいる土のことです。
土の中には、微生物、虫、ミミズ、モグラがいて・・・
みな食物連鎖の関係を保って共存しています。
健康で豊かな土壌は、こうした生き物たちの食物連鎖の中で育まれていきます。
生き物たちの営みによって自然に耕やされた土は、空気と水分をたっぷり含んだフカフカの土(団粒構造)となります。
また、生態系のバランスが保たれているため、外から病原菌や害虫が入り込んでも抵抗する力を備えています。
農薬を減らしたとても、土が樹を健康に保ってくれるのです。
そして、このような土から養分を吸い上げて育った果実は、様々な成分を取り込んでいるため栄養価が高く、自然の恵みがギュッと詰まった、味わい深い果実となるのです。

クローバーの根は想像以上に力強く、水はけのわるい耕盤層をも突き破って耕してくれます。また、耕耘機を入れないのでミミズや微生物などたくさんの生き物たちがにぎわう、生態系のバランスの取れた団粒構造の土となります。この団粒構造の土は、排水性や保水性や耐病性などを兼ね備えており、ぶどうの樹を健康に保つ最適な土といえます。

クローバーの根には根粒菌という菌が共生します。根粒菌はクローバーから栄養をもらう変りに、植物の成長に欠かせない「窒素」を大気中から取り込み蓄えてくれます。シーズン中は何度もクローバーをすき込んで緑肥にするため、肥料は少なくて済みます。

クローバーの根にはもう一つ菌根菌という菌も共生します。菌根菌は土中にあるリン酸やミネラルを溶かして植物が吸収しやすい環境を作ってくれます。
少ない肥料を無駄なく吸収するので低肥料化にも貢献してます。

真夏の乾燥時には、クローバーを刈り込んで地表を覆うことで水分の蒸散を抑えることができます。
さらに、最近の研究では土中深いところから吸い上げた水分を夜間に表層の乾いた土へ放出するということが分かってきています。ひょっとしたら天然の灌水設備としての効果も期待できるかもしれませんね。

クローバーはテントウムシやヒメハナカメムシ(益虫)の格好のすみか。被害を及ぼすアブラムシやスリップスの大量発生を抑えてくれます。
2009-07-18 20:08